子どもに対する福祉関係の仕事は保育士が広く知られていますが、この仕事は幼稚園や保育所など、児童福祉施設を利用する子どもを対象にしています。基本的には子どもと接して日々の成長の度合いを把握し、保護者と連携して健やかに育つようにサポートするのが保育士の仕事です。保育士が大きく関わるのは子どもなので、子どもの成長に大きく関係する保護者との繋がりは補助的なものでしかありません。育児など家庭環境に問題がある場合、その状況に対処できるのは児童福祉司です。児童福祉司の仕事は子どもだけではなくその保護者の生活を視野に入れたサポートなので、生活の中で何らかの問題が生じた場合、児童福祉司に相談するのが最適なのです。
子どもの生活に関する問題が生じた場合、福祉施設の一種である児童相談所に頼るのが一般的です。児童相談所には子どもやその保護者が抱えている問題を解決するための専門職である児童福祉司を置くことが決められているためです。子どもの生活環境や保護者を悩ませている問題を多角的な視野で観察し、状況に応じて最適なサポートを行うのが児童福祉司の務めです。場合によっては専門分野に特化したケースワーカーと連携して、問題の悪化を防ぐことも珍しくありません。児童福祉司として働くには心のケアの専門職である社会福祉士や精神保健福祉士などの資格が必要な他、専門的な教育を受けたうえで一定期間の実務経験を持つ必要があります。児童福祉司として働くのは非常に難しいと言えますが、子どもやその保護者の心の支えになることが最も重要な仕事なので、高度な技能や知識が必要とされています。